PEP Kids Koriyamaオープン6周年を迎えました
PEP Kids Koriyamaオープン6周年によせて当法人理事長 菊池信太郎の挨拶申し上げます。
引き続きPEPKidsKoriyamaをよろしくお願いいたします。
PEP Kids Koriyamaオープン 6周年によせて
平成29年12月23日
震災から間もない12月23日にうぶ声をあげたPEP Kids Koriyama(ペップ)は6歳になりました。
「郡山の子どもたちを何とかしたい!」と思う多くの関係者の気持ちが一つになり、企画からわずか3か月という短期間で開設にいたりました。
私の拙いコンセプトと企画が出発点でしたが、これまでになんと190万人を超える親子が遊びに来てくれました。本当に嬉しい限りです。
おそらくペップで見られる子どもが活き活きと遊んでいる姿は、日本中どこを探してもそう見つからないでしょう。ペップは福島県内に数多くある遊び場のモデルになったばかりでなく、日本全国からも注目されている施設にまで成長しました。
さて、身体(からだ)を使った遊びは、子どもに多くの発達を促します。例えば、歩く・走る・飛ぶだけでなく、転がる・ぶら下がる・くぐるなどの多種多様な動作を経験することによって、子どもは身体の動かし方を学び、その動作を繰り返すことによって身体を上手にコントロールできるようになります。
また、持続的に体を動かすことによって体力が養われます。将来のスポーツを楽しめる身体を創るだけでなく、ケガの防止にもつながります。
多くの子どもたちと一緒に遊ぶ(群れて遊ぶ)ことによって、お互いを助けあう心や、ルールを守ることを学びます。
更に、他の子どもの遊び方を見て、自分も出来るようになりたい、もっと上手になりたいなどの向上心も培われます。
このように、身体遊びは子どもの体力・運動能力を高めるだけでなく、社会性や意欲的な心を育みます。
しかし、最近はこうした身体遊びの重要性が軽んじられ、遊ばない子・遊べない子が急増しています。
一方でゲームやスマホなどのメディアが子どもの日常生活に深く浸透しています。
ペップはこの状況を打破すべく、子どもが安心して遊べる場所と時間を確保し、さらに多くの子どもたちが集まり、遊びにのめり込むような仕掛けと工夫を凝らした遊び場です。
ペップが誇る最大の特徴は、プレイリーダーの存在です。プレイリーダーは、遊び方を知らない子どもたちを上手に誘導し、おもしろおかしく遊びにのめり込ませ、同時に場内の安全管理を行っています。
このようなプレイリーダーを配置している遊び場はほとんどありません。
我が国では、プレイリーダーの認知度が低く資格制度や養成機関もありません。
しかし、ペップのプレイリーダーは様々な勉強を自主的に行い、研修を積んでいます。日本のプレイリーダーの先駆けと言っても良いかもしれません。
震災をきっかけに誕生したペップですが、これまで無料の施設としてやってこれたのは震災のおかげかもしれません。
しかし今や地域の子どもにとって不可欠な生活の一部であり、今後日本が創るべき子ども環境の一つのモデルです。
こうした遊び場が同様に維持されるためには、身体遊びの場が子どもの発達には不可欠であり、子どもにとっては重要なインフラであることを、地域や関係者の皆さんにも深く理解していただくことが重要です。
また同時に、ペップのような遊びの場が子どもには絶対的に必要であること声を大にして訴えて頂く事が必要です。
少子化に瀕した日本を救えるのは、私たちが子どもの目線に立ち、子どもが本当に望んでいること、子どもに必要なことを真剣に考え実行するかにかかっていると思います。
認定NPO法人 郡山ペップ子育てネットワーク 理事長
菊池信太郎(小児科医:医療法人仁寿会 菊池医院院長)