10周年記念サイト

PEP kids Koriyama
10周年に寄せて

郡山市市長

品川 萬里

「ペップキッズこおりやま」オープン10周年にあたり、一言御挨拶申し上げます。
ペップキッズこおりやまは、東日本大震災・原発事故後の子どもたちに安全・安心な遊び場を提供し、心身の健康を育むため、東北最大級の屋内遊び場として他に先駆けて、2011年12月23日にオープンしました。
以来、施設の充実を重ね、天候に左右されず思う存分遊ぶことのできる場として、現在までに約263万人の皆様に御来場いただいております。
また、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大による大きな環境変化の中、検温や消毒、常時換気の徹底など、「withコロナ」時代に対応した施設運営に御配慮いただいております。
これもひとえに、菊池理事長をはじめとする認定NPO法人郡山ペップ子育てネットワークの皆様の御努力と、関係者の皆様の御支援、御尽力の賜物であり、改めて敬意と感謝の意を表する次第であります。
さて、東日本大震災・原発事故の発生から10年の節目を迎え、本市も着実に復興の歩みを進めてまいりましたが、この間、気候変動の影響等による甚大な自然災害が度々発生しているほか、新型コロナウイルスの感染拡大により、市民生活に依然として深刻な影響が及んでおります。
こうした中、本市におきましては、「誰一人取り残さない」SDGsの理念のもと、子どもたちの生命と心身の健康を第一に考え、感染対策の徹底に努めるとともに、次代を担う子どもたちが健やかに成長し、自立できる社会の実現を目指してまいりますので、引き続き御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、貴法人の今後益々の御発展と、関係者の皆様方の御健勝、御活躍を心から御祈念申し上げ、御挨拶といたします。

株式会社ヨークベニマル 代表取締役会長

大髙 善興

郡山市のこどもの遊び場である「PEPキッズ郡山」開設10周年、誠におめでとうございます。
東日本大震災でまったく先が見通せない中、子どもたちの為に奮闘する菊池信太郎医師ら「郡山市震災後子どものケアプロジェクト」の姿が、考える間もなく私の使命感をつき動かしたあの日々から既に10年が過ぎました。
私は、あの時、彼らからエネルギーを与えてもらいました。
東京にある、子どもの遊具を輸入しているボーネルンド社や、子どもキッチンを専門展開するABCクッキング社を直接訪ねたり、行政を司る郡山市と直談判したりしました。それにしても、この施設が3か月で開設出来たことは、今改めて振り返ってみると奇跡の様にさえ感じます。
ただ、開館当時から約8年間、年間30万人もの来館者数が有ったPEPキッズも、この約2年間は、新型コロナウイルスの影響により全く環境が様変わりしてしまいました。現在は入場制限により盛況時の約3割ほどの入館者数に抑えられています。ピンチです。
でも、長年事業経営をしてきた私は、このようなピンチはいつもチャンスになる事を知っています。不況の時に伸びた企業はのちのち大きく成長するのが常です。PEPは混乱の中で産まれました。今再度の困難な状態の中で新たな芽を出しましょう。
今こそ、本来PEPキッズが最大の強みとする「プレイリーダー」が活躍出来るはずです。
少人数来館の中でマンツーマンに近い対応をすることによって、子どもたちは運動能力を上げる事が出来ます。
導く側や入館者同士のコミニュケーションが深くなることによって、子どもたちの社会性を向上させる手助けにもなるでしょう。
PEPキッチンも同様に今迄積み上げてきた財産を活かすことが出来るでしょう。年齢別の「子どもたちによる子どもたちの為のレシピ」を、ブラッシュアップして再活用してゆくことも可能です。
これからも、この全国的にもまれにみるPEP(元気な)空間を維持継続し、より付加価値の高いものにしていって欲しいと願っています。
わたくしどもヨークベニマルは、戦後間もない昭和23年9月に郡山市中町で商売を開始しました。それ以来郡山市とともに歩みを進めて来たといっても過言ではないでしょう。今まで以上に地域とのつながりを深める事、この地の未来を支える子どもたちが健全に成長する事を願っています。
まだ10年です。
遊びに来てくれた子どもたちが、館内で笑顔を満開にして、「また来たい」と言ってくれる施設に、毎日少しずつでも進化させていって欲しいものです。
いつも頑張ってくれている館内スタッフのみなさん本当にありがとう。
日本一の屋内あそび場として継続発展する様、地域の皆様とともに支援して参りましょう。

認定NPO法人 郡山ペップ子育てネットワーク

菊池 信太郎

2021年12月23日、PEP Kidsこおりやま(以下PEP)は、10歳の誕生日を迎えました。
PEPは東日本大震災後の極めて大変な状況の中で、“失われた子どもたちの笑顔と元気を取り戻したい”という思いから始まり、地元をはじめ多くの方々のご協力とご厚意によって作られました。構想からわずか3か月で完成に至った、極めて異例の施設です。関わった方々が地域の子どものことを想い、慈しむ本気の気持ち集大成だと思います。
PEPとは、『活気』や『元気』という意味で、ここで遊ぶ子どもたちがそのネーミング通り元気になって欲しいと願って命名しました。そして、私が直感で設置を要望した「30mまっすぐ走れるところ」「水が使える大きな砂場」「三輪車に乗れる所」は、子どもたちのお気に入りの場所になっています。子どもが発達する上では、体を使った遊びは欠かせません。遊びによって子どもたちは多くの学びを得ます。体を上手に動かせるようになるだけではなく、多くの子どもと一緒に遊ぶことによって、コミュニケーション力や意欲的な心も育まれます。本来、こうした子どもが思いっきり遊ぶ施設は全国各地にあるべきだと思いますが、実際にはわずかしかなく、PEPはまさに日本の遊び場のモデルの1つになっています。
当初はとりあえず5年間という目標のもとスタートをしましたが、年間30万人を越える来場者の数は、決してこの施設が短期間でその使命を終えることなく、末永くあって欲しいと願う人々の気持ちの表れかと思います。先日行った利用者のアンケートからは、PEPの存在は郡山の子どもたちに夢と元気を与えてきたことがわかりました。また、PEPがあるから孫が帰省してくれたというお話しも耳にしました。何よりも、地域の子どもの毎日に良質の遊びの場を提供出来ていたことがわかりました。
コロナ禍においては、子どもの遊びがかなり制限されました。私たちは、東日本大震災直後、「どんな過酷な状況下においても子どもの遊びを保障しなくてはならない」ということを学んでいます。これは、世界では当たり前のことで、子どもにとって遊びは生活のインフラです。コロナ禍でも様々な工夫を凝らし、子どもたちの遊びを保障すべく、プレイリーダーやスタッフ一同、地域の子どもの笑顔をなくさない努力を重ねています。子どもが元気いっぱいに遊んでいる姿は、私たち大人にとって何よりの癒しであり、地域を明るく照らす光です。
10年後のこれからの目標を、『日本一の元気が生まれる遊び場を目指して』としました。遊びに来る子どもだけではなく、その家族、プレイリーダー、そして支援して下さる地域の方々がPEPを通して元気になる。そんな遊び場でありたいと思っています。これからも引き続きPEPへのご支援をよろしくお願い申し上げます。